フランスの伝統意匠に基づくアンティーク・メダイヨン 丁寧な手彫りグラヴュールの作例 直径 26.9 mm


突出部分を含む全体のサイズ 縦 38.7 x 横 27.8 mm  最大の厚さ 5.7 mm  円形部分の直径 26.9 mm

 フランス  20世紀初頭



 19世紀の鍵巻式懐中時計と同様の意匠によるメダイヨン(ロケット)。円形部分の直径は 26.9ミリメートルで、五百円硬貨とほぼ同じ大きさです。





 本品の素材はブロンズで、表面にイエローゴールドの薄板を貼り付けた「プラケ・ドール・ラミネ」(plaqué d'or laminé ロールド・ゴールド・プレート)仕上げとなっています。

 両面の意匠は同じで、いずれの面にも手作業による丁寧な彫金細工が施されています。平行線で埋めた中央部分には、四個一組の多数の点が規則正しく配列されています。四個一組の点は、一見したところ十字架あるいはフルール・ド・リスのように見えます。図像の背景に十字架やフルールドリスを散らすのは、フランスの伝統的意匠です。


(下・参考画像) リュドヴィク・ペナン作 美術メダイユ 「我が肉を食し我が血を飲む人は永遠の生命を有す、而して我、終の日に之を復活せしむべし」 直径 41.1 mm 1869年 当店の商品




 ヨーロッパでは 15世紀末に単色の木口木版が普及し、これを手作業で彩色していましたが、17世紀初頭のアントウェルペンで、紋章の色彩を平行線の向きで区別して表すシステムが考案され、全ヨーロッパに普及しました。これによると水平の平行線は「青」を表します。本品に散りばめられた四個一組の点はフルール・ド・リスのようにも見えるゆえに、このメダイヨンの文様は青地にフルール・ド・リスを散らしたフランス王室の紋章のようにも見えます。


(下・参考画像) フランスを聖母に捧げるルイ13世 Philippe de Champaigne, "Le voeu de Louis XIII à la Vierge", 1638







 植物のように枝分かれした環状の彫金文様が、中央の円形部分を囲んでいます。この彫金文様はオリーヴの冠、月桂樹の冠、あるいはコロナ・キーウィカを簡略化したものです。これら三種の樹木の冠は、メダイユ彫刻に良く採用されます。





 メダイヨンは蝶番(ちょうつがい)式で大きく開き、どちらの面にも絵や写真を入れることができます。本品は 5.7ミリメートルの厚みがありますので、絵や写真の代わりに小さな物品を入れることも可能です。メダイヨンはきちんと閉まり、勝手に開くことはありません。蝶番にも緩みはありません。

 懐中同形のボウ(bow 吊り輪)に当たる部分には、18世紀のロカイユを思わせるロココ調の意匠に造形されています。この部分にも緩みはありません。





 本品は百年以上前のフランスで制作された真正のアンティーク品で、華やかなりしベル・エポック(la Belle Epoch フランス語で「美しき時代」)の香りを今に伝えています。古い年代にかかわらず保存状態はきわめて良好です。実用上、美観上とも、特筆すべき瑕疵(かし 欠点)は何もありません。





12,800円

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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