ベル・エポックの美麗クーラン　宝石のある植物意匠　グリーンとローズの金張り　直径 15.8 mm


突出部分を除く円形枠の外径　15.8 mm

　フランス　　アール・ヌーヴォー期

　美麗なアンティーク・クーラン。「クーラン」（仏 coulant）は19世紀のフランスで女性たちに愛用されたジュエリーで、ペンダントの上部に取り付け、チェーンやリボンをまとめる役割をします。下の写真は本品をペンダントと組み合わせた使用例です。写真に写っているペンダントは販売済みです。





　本品はおよそ百年前のフランスで制作された品物で、アール・ヌーヴォー様式に基づき、写実的表現による日本風の植物文様をモティーフにしています。放射状に並べた三つ葉と円形枠の組み合わせは、日本の家紋から発想を得ているのでしょう。





　本品の素材はブロンズに金を張ったもので、円形枠の裏側に「ドゥブレ・ドール」（仏 doublé d'or　ゴールド・フィル、金張り）の刻印があります。





　金の色は「グリーン・ゴールド」と「ローズ・ゴールド」の二種類を組み合わせています。ローズ・ゴールド（ピンク・ゴールド）は最近になって少しずつ復活してきましたが、ここ五、六十年ほどはほとんど見かけることがありませんでした。





　グリーン・ゴールドはさらに珍しく、二十世紀のごく早い時期に、ほぼ完全に使用が途絶えてしまいました。本品は植物を模（かたど）る部分にグリーン・ゴールドを使っています。本品をはじめ、植物文様を愛好したアール・ヌーヴォー期の工芸品にはグリーン・ゴールドがよく使われています。上の写真は 1880年代に制作された懐中時計で、ケースに浮き彫りにされた植物の葉にグリーン・ゴールドを使用しています。この時計は当店の販売済み商品です。





　本品の中央に嵌め込まれている赤色透明石はたいへん綺麗な色です。鑑別のために紫外線を照射しましたが、蛍光は発しません。ルビーかスピネルのように見えますが、出来栄えの良いガラス製シミュラント（模造石）でしょう。ロードライト（紫がかったガーネット）かトルマリンかもしれません。三つ葉の中央には人工パールが嵌められています。

　裏側の金具は十分に実用可能な状態です。アンティーク・クーランは裏側の金具が緩み、スプリング性を失っている場合が多くありますが、本品は大丈夫です。ただしクーラン裏側のバネはもともとそれほど強くないので、チェーンやリボンの太さ、厚みによっては、うまく留まらない場合もあります。





　本品はおよそ百年前、アール・ヌーヴォー期のフランスで制作された真正のアンティーク品ですが、保存状態は良好で、充分に実用可能です。特筆すべき瑕疵（かし　欠点）は何もありません。

12,800円　販売終了　SOLD

電話 (078-855-2502) またはメール（procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp）にてご注文くださいませ。




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