フランス製アンティーク　女の子の「幸運の宝箱」

"grigri", ou une boîte à bonheur d'une fillette, faite à la main


リヨンあるいはその近郊　　　1930年頃

たいへん可愛らしく珍しい「幸運の宝箱」。小学生くらいの女の子のもので、円柱形の小箱に幸運を象徴する小さな品物を詰め合わせ、ガラスで蓋をしています。箱の側面と底はローズ（ピンク）のリボンで隈なく被われています。淡いブルーの糸でリボンを括って、小さなボウ（蝶結び形）をたくさん作っています。

　本品は南フランス、リヨンにあった物で、年代は1930年頃です。綺麗な仕上がりゆえに、一見したところ既製品のようにさえ見えますが、当時このような「幸運の宝箱」が流行していたわけではありません。私自身は類品を見たことがありませんし、親しいフランス人アンティーク商も初めて見る品物だと言います。そつなく上手に作ってあるので、おそらく子供の自作ではなく、大人が作ったものでしょう。手先の器用なおばあちゃんが、可愛い孫娘のために手作りしたものでしょうか。

　1930年といえば、あと十年も経たないうちに第二次世界大戦が始まります。第二次世界大戦の死者はヨーロッパだけでも3900万人に及び、フランスも国土を蹂躙されて、子供からお年寄りまで多数の死傷者が出ます。孤児となった子供も数知れません。しかしながらこの「幸運の宝箱」が大切に保存されていたということは、所有していた少女は宝箱に守られて、きっと無事だったのでしょう。


　同じ分野の類品さえ存在しないという意味で、本品は当店アンティークアナスタシアの商品のなかでも最も珍しいものです。女の子の無垢な夢と、周りの大人の愛情が詰まった愛すべき小箱です。

12,600円　販売終了　SOLD

電話 (078-855-2502) またはメール（procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp）にてご注文くださいませ。




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