カオリン(陶土)
kaolin




(上) 天草下島のカオリナイト露頭


 陶磁器の原料カオリン(kaolin 陶土)は、風化した花崗岩に由来する粘土鉱物です。

 花崗岩は深成岩ですから、これが地表に産出するということは大深度の地中から隆起したということであり、このときに加わる力により、内部に多くの割れ目を生じます。この結果、地表に出た花崗岩塊は、ときには深さ100メートルにも及ぶ深層風化を起こして、大量の長石、雲母、石英の供給源となります。この段階までは物理的風化、すなわち鉱物の粒が砕けて小さくなるだけの現象です。長石や雲母、石英の粉末には可塑性は無く、粘土とは異なります。


 粘土鉱物の生成には、物理的風化に次いで、化学的風化が必要です。花崗岩を構成する鉱物が二酸化炭素を溶かした弱酸性の雨水にさられると、イオン化傾向の大きい金属元素がまず最初に地下水に溶脱します。そうすると地下水中の水素イオン濃度が低下して、こんどはケイ素の溶脱が始まります。

 このような花崗岩の化学的風化の結果、溶脱した成分からは二酸化ケイ素やアルミナ(酸化アルミニウム)が生まれます。これらの分子は極性を有しますから、水や水酸化基、金属と電気的に結合し、カオリンをはじめとする粘土鉱物が生成するのです。


 なお熊本県天草市の下島(しもしま)で採掘される天草石は我が国最良の陶石(カオリナイト カオリンを主成分とする岩石)で、これは流紋岩(石英粗面岩)が熱水により変性したものです。五島列島にも陶石の鉱床があります。




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