スティール・エングレーヴィング 「シナイ山、イスラエル人の宿営」

Encampment of Israelites, Mount Sinai


原画の作者 J. M. W. ターナー (Joseph Mallord William Turner, R.A. 1775 - 1851)

版の作者 E. F. フィンデン (Edward Francis Finden, 1791 - 1858)


画面サイズ  縦 88 mm  横 142 mm

イギリス  1836年



≪この版画のエングレーヴァーについて≫

 この版画のエングレーヴァー、エドワード・フランシス・フィンデン(Edward Francis Finden, 1791 -1858)とその兄ウィリアム・フィンデン(William Finden, 1787-1852)は19世紀イギリスでもっとも優れたエングレーヴァーで、数々の本や美術誌「アート・ジャーナル」 (The Art Journal) の美しい挿絵で知られています。

 1833年から数年間にわたって製作・発表したバイロン(Lord Byron, 1788-1824)のシリーズ、また1838年から15部に分けて発表された「ギャラリー・オブ・ブリティッシュ・アート」 (Gallery of British Art, 1838-1840)は版画史上に大きな足跡を残しています。


≪この版画について≫

 チャールズ・バリー卿のスケッチに基づいてシナイ半島を描いたターナーのエングレーヴィング。モーセに率いられてエジプトを脱出したイスラエル人たちが描かれています。


 モーセに率いられたイスラエル人たちはエジプトを出て3か月目にシナイの荒野に到着して宿営します。その3日目に神は雲に包まれてシナイ山に降り、モーセに十戒を刻んだ石板を与え、またあらゆることに関する律法をイスラエルの民に与えました。

 イスラエル人たちはシナイの荒野に約11ヶ月のあいだ留まって、モーセを通して神から与えられた律法を学び、幕屋(神殿に相当するテント)を建て、人口調査を行ないました。人口調査の結果は民数記1章によると成人男子だけで603,550人ですが、写本を筆写する過程で起こった誤記と考えられるものを修正すると約72,000人となり、これが本来の数字であると考えられています。

 シナイの荒野でのできごとと律法は出エジプト記19章から民数記10:10までの部分に非常に詳しく書かれています。イスラエル人たちはシナイを出発してパレスチナに向かいますが、先住者たちが強く豊かであることを知って恐れをなし、神に対する信頼を失います。神は不信の罰としてイスラエル人に荒野に引き返すように命じ、イスラエル人は約束の地を目前にしながら40年間荒野をさ迷うことになります。


 この作品のもとになったターナーの水彩画 (Mount Sinai, the Valley in which the Children of Israel were Encamped, 1832 - 34, Wilton number: 1238) は所在不明になっていますが、テート・ブリテンに版画が収蔵されています。


参考 テート・ブリテンが収蔵する版画 1988年に購入 Rawlinson number: 574  ※ 当店の商品と同じものです。




 版画を初めて購入される方のために、版画が有する価値を解説いたしました。このリンクをクリックしてお読みください。





エングレーヴィングの本体価格 31,800円 (額装別)

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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