カール・ヴェルナー作 「ブリンディージ、ウェルギリウスの家」 C. ベルトランによるスティール・エングレーヴィング 1846 - 49年

Virgil's House, Brindisi


原画の作者 カール・ヴェルナー (Carl Friedrich Heinrich Werner, 1808 - 1894)

版の作者 C. ベルトラン (C. Bertrand, fl. 1876 - 1879)


画面サイズ  縦 218 mm  横 156 mm



 長靴の形をしたイタリア半島のかかとの部分、アドリア海の入り口に近いところに、ブリンディージ(Brindisi)という美しい港町があります。古代ローマ以前の時代から存在した非常に古い町で、ローマは紀元前267年にここを征服して植民市を建設し、アッピア街道とこの町の港を結びました。紀元前58~48年の間、キケロはブリンディージをたびたび訪れました。また桂冠詩人ヴェルギリウスが「アエネアス」(circa 29 B.C.)を書いたのも、この町に住んでいたときでした。

 古代ローマの時代以降、重要な港であるブリンディージはゴート、東ゴート、ビザンティン帝国、サラセン帝国、ランゴバルド王国、ノルマン王国、神聖ローマ帝国、プランタジネット朝、アラゴン王国、ヴェネツィア、スペイン、オーストリア、ブルボン朝の支配をかわるがわる受けて、一時期は活気を失っていましたが、1869年にスエズ運河が開通してインドのボンベイとブリンディージ間の航路が確立してからは昔の繁栄を取り戻しました。 1943年9月にヴィットーリオ・エマヌエーレ3世が退位してから1944年2月までのあいだ、ブリンディージはイタリアの首都でした。


 このエングレーヴィングはブリンディージに残るウェルギリウスの家を描いています。ウェルギリウスが亡くなった場所でもあるローマ時代の石造りの邸宅ですが、19世紀には普通の人たちが住まいとして使っていました。スエズ運河が開通してブリンディージが昔の繁栄を取り戻すのはまだ少し先のこと。南イタリア・アドリア海の潮の香りと明るい日差しの中、女性たちのおしゃべりと子供の笑い声が溢れています。 二千年の眠りをむさぼる桂冠詩人の邸宅と、そこに息づく活気溢れる生活の対比が鮮やかです。


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本体価格 39,000円

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