レンブラント 「羊飼いの礼拝」 ヘンリー・チョーナー・シェントンによる1830年代のスティール・エングレーヴィング
Rembrandt, "De Aanbidding der Herders" (The Adoration of the Shepherds), 1830s
原画の作者 レンブラント・ハルメンソーン・ファン・レイン (Rembrandt Harmensoon van Rijn, 1606 - 1669)
版の作者 H. Ch. シェントン (Henry Chawner Shenton, 1803 - 1866)
画面サイズ 縦 140 mm 横 115 mm
イギリス 1830年代
ルカによる福音書 2:8-20に記録されているできごと、《羊飼いの礼拝》を描いたスティール・エングレーヴィング。レンブラントによる原画は1646年の作品で、ロンドンナショナル・ギャラリーにあります。
この絵には聖家族と羊飼いたち以外にも何人かの人たちが登場します。画面中央ではふたりの女性が小さな子供を抱き上げて幼子イエスを見せていますし、右側には犬を連れた男の子の姿も見えます。また羊飼いのひとりがランプを提げていることで、夜の場面であることがわかります。
しかし幼子イエスのほうがランプよりもはるかに明るい光の源となっています。これは幼子が「異邦人を照らす啓示の光」(ルカによる福音書
2:32)であり「世の光」(ヨハネによる福音書
8:12)であることを示しています。
この版画の原画はロイズの創業者のひとりであり裕福な美術収集家でもあるアンガスタイン (John Julius Angerstein, 1735
- 1823) が所蔵していました。彼のコレクションをイギリス政府が1824年に買い取ってできたのがロンドンのナショナル・ギャラリーです。
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