ウィリアム・ボクソル作 「ダイアナ・ヴァーノン」 ヘンリー・トマス・ライアルによるスティール・エングレーヴィング 1833年

Diana Vernon


原画の作者 ウィリアム・ボクソル (Sir William Boxall, 1800 - 1879)

版の作者 ヘンリー・トマス・ライアル (Henry Thomas Ryall, 1811 - 1867)


画面サイズ  縦 96 mm  横 76 mm



 ウォルター・スコット(Sir Walter Scott 1771 - 1832)の小説≪ロブ・ロイ≫(Rob Roy, 1818)の登場人物ダイアナ・ヴァーノン(Diana Vernon)を描いたエングレーヴィング。

 18世紀のイングランドはピューリタン革命、王政復古、名誉革命という政治の激動を経験します。名誉革命ではカトリックを復活し、また常備軍を設置して専制政治を行なおうとした国王ジェイムズ2世が廃位されますが、スチュアート朝そのものはアン女王(在位1702-1714)まで続きます。また1707年にイングランドはスコットランドを併合しています。

 アン女王が亡くなるとハノーヴァーからドイツ人の国王ジョージ1世が迎えられて、彼が現イギリス王室の祖となるのですが、スコットランド高地人のスチュアート朝支持者たちはジェイムズ2世の息子ジェイムズ・エドワード(James Edward Stuart, the Old Pretender 1688-1766)を国王に擁立しようとして反乱を起こします。小説≪ロブ・ロイ≫では1715年に起こったこの反乱が時代背景に設定されています。

 ≪ロブ・ロイ≫の主人公、イングランド貴族の青年フランク・オズバルディストン(Frank Osbaldistone)は息子ではなく甥に家業を継がせようと考えた父親によってスコットランドに送られますが、ロブ・ロイとダイアナ・ヴァーノンの協力によって正当な地位に返り咲き、ダイアナと結婚します。


 原画の作者ボクソル(Sir William Boxall, 1800 - 1879)は優れた肖像画家で、1865年から1874 年までロンドンにあるナショナル・ギャラリーの館長も務めました。また版の作者ライアル(Henry Thomas Ryall, 1811 - 1867)は肖像画・人物画に優れた手腕を発揮したエングレーヴァーで、最初はレイノルズ(Samuel William Reynolds, 1773 - 1835)に学び、のちにメゾチントと点刻法を取り入れた独自のエングレーヴィング技法を編み出したことで知られています。


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