戯れるナイアス(人魚)たち
Spiel der Najaden
原画の作者 アルノルト・ベックリン (Arnold Böcklin, 1827 - 1901)
画面サイズ 縦 128 mm 横 151 mm
1890年代
アルノルト・ベックリン (Arnold Böcklin, 1827 - 1901) が 1886年に制作した有名な作品「戯れる人魚たち」です。木板に油彩で描かれた原画のサイズは
148 x 103 センチメートルで、現在はバーゼル美術館に収蔵されています。本品は原画に基づくウッド・エングレーヴィングを、石版またはロトグラヴュアで複製しています。
ベックリンはバーゼルに生まれたスイスの画家です。デュッセルドルフのアカデミーでシルマー(Johann Wilhelm Schirmer, 1807
- 1863)に学んだ後、バーゼル、ローマ、ワイマール、フィレンツェに住み、最後はフィレンツェ近郊フィエソーレの別荘で生涯を終えるまで絵を描き続けました。「聖なる森」(1882年、カンヴァスにテンペラ 105
x 150 cm)、ラフマニノフの交響詩でも知られる「死者の島」(1880年、カンヴァスに油彩 111 x 155 cm)など、最も重要な作品はフィレンツェで制作されています。
ベックリンは古代美術史に関する造詣が深く、ギリシア神話に関連する絵を多く制作しています。しかしロマン派の他の画家たちの作品とは違ってベックリンの絵では物語性が極度に抑えられ、絵画の深い色彩と神秘的、瞑想的な性格そのものが、物語を離れて自立した特異な世界を作り出しています。絵に表題をつけることを嫌ったといわれるベックリン作品のこのような特性は
キリコ(Giorgio de Chirico, 1888 - 1978)に大きな影響を与え、二十世紀のシュールレアリスム絵画に受け継がれていきます。
参考画像 アルノルト・ベックリン
原画 Arnold Böcklin, Spiel der Najaden, 1886, Kunstmuseum Basel
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